交通事故により受傷した事に対し、慰謝料を請求することが可能です。その具体的な慰謝料の種類と、損害賠償を保険会社に請求する場合の請求方法を、自賠責保険・任意保険、それぞれに解説いたします。
1. 交通事故の慰謝料の種類
まず、交通事故により受傷した事に対する慰謝料を請求するためには、病院で診断書を書いてもらい、警察に提出する必要があります。そして、慰謝料は損害賠償の1つとして受け取ることができます。
具体的には
- 怪我の治療に対する「傷害慰謝料」
- 後遺症が残った場合の「後遺症慰謝料」
- 被害者の方が亡くなってしまった場合の「死亡慰謝料」
を受け取れることになります。
2. 慰謝料の請求方法
交通事故の慰謝料などの損害賠償を保険会社に請求する場合、請求先としては、
① 加害者が加入している自賠責保険
② 加害者が加入している任意保険
の2つが主になります。
それぞれに対する請求方法を見ていきましょう。
2-1. 自賠責保険への2つの請求方法
まず、自賠責への請求方法としては、加害者請求と被害者請求というものがあります。
- 加害者請求
加害者請求とは、加害者が被害者の方に対して支払った賠償金の額を限度に、加害者から自賠責保険会社へ領収書などの必要書類を提出して請求するものになります。
- 被害者請求
基本的に、自賠責保険は被害者救済を目的とした保険です。よって、加害者側から十分な補償を受けられない場合には、被害者自ら自賠責保険に請求することもできます。それが被害者請求になります。
交通事故の被害者の方が請求する場合に問題となるのは被害者請求になるため、被害者請求の方法について簡単に説明していきます。
2-2. 傷害慰謝料の請求方法
① 自賠責保険への請求方法
まず損害賠償額支払請求書という書類を加害者側の自賠責保険会社に提出することになります。また、上記の損害賠償額支払請求書以外に、交通事故証明書・事故発生状況報告書・診断書・診療報酬明細書・通院交通費明細書の提出も必要になります。
特に、自賠責保険においては、治療が必要と考えられる期間や実際の通院日数で慰謝料が計算されるため、診断書や診療報酬明細書の提出は非常に重要となります。
② 任意保険への請求方法
任意保険会社への請求方法としては、損害賠償請求書を送付することになります。
自賠責保険の場合と異なり、損害賠償請求書には、慰謝料などの損害賠償額を計算したうえで、請求額を記載する必要があります。
2-3. 後遺症慰謝料の請求方法
交通事故において、怪我が完治せずに後遺症が残ってしまうケースもあります。その場合、後遺症が残ったことに対する慰謝料も請求する必要があります。
ただし、後遺症に対する損害賠償を請求するには、後遺障害の等級認定を受ける必要があります。そのため、後遺症慰謝料も併せて請求する場合には、自賠責保険、任意保険ともに、上記の書類に加えて後遺障害診断書という書類を提出する必要があります。
2-4. 死亡慰謝料の請求方法
非常に残念ながら、被害者の方が死亡してしまう事故も考えられます。もしも大切なご家族が亡くなられてしまった場合には、死亡慰謝料を請求する必要があります。
① 自賠責保険への請求方法
死亡慰謝料を請求する場合には、最初に説明した損害賠償額支払請求書に加えて、死亡診断書・相続関係を証明するための戸籍謄本の提出が必要になります。
② 任意保険への請求方法
任意保険会社への請求方法としては、同じく損害賠償請求書を送付することになります。
傷害慰謝料の場合と同様、損害賠償請求書には、慰謝料などの損害賠償額を計算したうえで、請求額を記載する必要があります。